【要注意】傷病手当金終了後の落し穴!障害年金の受給が難しい理由と傷病手当金終了後の対策方法!
病気やケガで働けなくなったとき、会社員がまず利用する制度が健康保険の傷病手当金(=休業補償)です。しかし、傷病手当金が給付される期間は、通算して1年6か月間で終了します。
では、傷病手当金の給付期間が終了して病気が治っていない場合、その後の生活はどうすればよいでしょうか。
傷病手当金の終了後は、障害年金が受けられる場合がありますが、簡単に受けられると思っていませんか?そこには大きな落し穴があります。
傷病手当金と障害年金は異なる制度のため、給付対象や認定される条件も違います。実は、障害年金(=生活保障)は傷病手当金よりも認定要件が厳しく、必ず受給できる制度ではありません。
制度の違いを理解し、傷病手当金が終了した時のことを想定し、早めに対策しておくことが重要です。
この記事では
- 傷病手当金終了後の落し穴とその理由
- 傷病手当金と障害年金の違い
- 障害年金の認定基準が厳しい理由
- 制度利用時の注意点と対策方法
を分かりやすく解説します。
傷病手当金終了後、障害年金が受け取れるかは不確実!当てに出来ないことを知っておこう!
傷病手当金は、病気やケガの療養・治療のために一時的に働けない期間の所得補償(休業補償)をする制度です。
一方で、障害年金は、病気やケガが原因で障害が残り、日常生活や働くことが困難な場合に支給される長期的な生活保障のための制度です。
つまり、全く異なる制度であり、傷病手当金と比べると障害年金が支給される要件はかなり厳しく、簡単には認定されないのが現実です。
例えば、認定基準が明確なケースは、次のようなものです。
- 眼が失明した
- 手足を切断した、動かせない
- 上下肢に麻痺が残った
一方で、認定されにくいものは、以下のように症状や障害の程度が分かりづらいものです。
- 精神疾患(軽度、神経症など)
- 内部慢性疾患
- がん(状態がわかりにくいもの)
そのため、「傷病手当金は受給できたけど、障害年金は認定されない」というケースは珍しくありません。障害年金が受けられると思って当てにしていたけど、実際は受けられなくて困ってしまうこともあります。
そんな状況にならないためにも、障害年金は当てにせず、制度を知って、対策しておくことが重要です。
傷病手当金と障害年金の違いを理解しよう!
まずは制度の目的や趣旨、その違いを理解することが重要です。
| 項目 | 傷病手当金 | 障害年金 |
|---|---|---|
| 制度 | 健康保険 | 国民年金・厚生年金 |
| 目的 | 休業中の所得補償 | 長期的な生活保障 |
| 支給要件 | 働けない状態 =労務不能 | 障害認定基準に該当 |
| 支給期間 | 最長1年6か月 | 障害認定基準に該当している期間(永久認定もあり) |
| 認定基準 | 労務不能かどうか | 日常生活能力があるか |
| 審査 | 比較的通りやすい | 認定基準が厳しい |
ここで重要なことは、認定基準の違いです。
【傷病手当金】「働けない状態(=労務不能)」であれば支給される
傷病手当金の支給要件は比較的シンプルです。
- 病気やケガで働けず、連続して3日以上休んでいる(4日目から支給)
- 療養し、医師による労務不能の証明が取れる
- 休みの間の給与が支払われていない
つまり、傷病手当金は仕事ができない状態(=労務不能)であれば支給されます。
【障害年金】「障害認定基準(=一定の障害状態)」に該当する必要がある
一方、障害年金は障害認定基準に該当する必要があります。
つまり、
・病気で療養しているだけではダメ
・働けないだけでもダメ
日常生活に支障があり、制限されるような障害が残っている状態であることが必要です。
そのため、「傷病手当金は受給できたけど、障害年金は認定されない」というケースは多くあります。
【参考】障害年金等級別、支給されるための「障害の程度」
| 障害等級 | 障害の程度 |
|---|---|
| 1級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの 他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできないほどの障害の状態です。身の回りのことはかろうじてできるものの、それ以上の活動はできないかた(又は行うことを制限されているかた)、入院や在宅介護を必要とし、活動の範囲がベッドの周辺に限られるようなかたが、1級に相当します。 |
| 2級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの 必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害です。例えば、家庭内で軽食をつくるなどの軽い活動はできてもそれ以上重い活動はできないかた(又は行うことを制限されているかた)、入院や在宅で、活動の範囲が病院内・家屋内に限られるようなかたが2級に相当します。 |
| 3級 | 労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの 労働が著しい制限を受ける、又は労働に著しい制限を加えることを必要とするような状態です。日常生活には、ほとんど支障はないが労働については制限があるかたが3級に相当します。 |
| 障害手当金 | 傷病が治ったもので、労働が制限を受けるか、労働に制限を加えることを必要とする程度のもの |
(【出典元】政府広報オンライン「障害年金の制度をご存じですか?がんや糖尿病など内部疾患のかたも対象です」)
「https://www.gov-online.go.jp/article/201201/entry-7663.html」
【結論】 傷病手当金終了後、障害年金は当てにしない!代わりにすべき対策4選!
1.病気の療養に専念しよう!
まずは、病気の療養に専念して、心身の回復を優先することが最も重要です。心身が健康でなければ働くことはできません。出来ることなら、傷病手当金が終了するまでに回復し、職場復帰や就業を目指しましょう。
2.失業手当の延長申請し、給付日数を最大に!
既に退職している場合は、失業手当の受給を検討しましょう。
失業手当は、病気療養中は受け取ることができません。傷病手当金受給中に退職した場合は、失業手当受給期間の延長申請を行っておく必要があります。そうすれば、最大3年間の受給期間を延長することができ、受給期間1年間を含めて最大4年間の猶予ができるため安心です。手続きをしておき、傷病手当金が受けられる間は、療養に専念しましょう。
療養で心身を回復した後、就業に向けて求職申込すれば、そこから失業手当が受けられます。また、病気やけが、妊娠、出産などの就職困難者は、失業手当の給付日数が以下のとおり延長されるので、安心して再就職の準備が出来ます。
【就業困難者の失業手当給付日数】
| 年齢 | 被保険者期間1年未満 | 被保険者期間1年以上 |
| 45歳未満 | 150日 | 300日 |
| 45歳以上65歳未満 | 150日 | 360日 |
3.民間保険の休業補償保険への加入を検討しよう!
公的保険の傷病手当金や失業手当が受けられない自営業、フリーランスの方や、傷病手当金や失業手当では安心できない方は、民間保険の休業補償保険への加入を検討しましょう。公的保険でカバーできない場合は、民間保険への加入を検討する必要があります。
ただし、病気になる前から検討し、事前に加入しておく必要があります。
4.転職活動をしよう!
傷病手当金の給付を受けている傷病のトップは、「精神疾患」です。また、退職後に継続して傷病手当金を受けている場合の傷病も「精神疾患」が5割以上を占めるというデータもあります。つまり、職場環境や人間関係が原因で精神疾患を患い、退職することが多いということです。
もし、職場環境や人間関係がつらい、合わないと思っているなら、転職することをオススメします。日本には多くの会社がありますし、ご自身に合う会社は必ず見つかるはずです。何より、体を壊すような会社で働く必要はありません。
また、転職エージェントを活用して転職活動をすれば、費用もかけることなくご自身の市場価値が分かり、リスクもありません。合わないと思えば、そこでやめておくこともできますので、やってみるだけでも価値があります。